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卵の緒

瀬尾まいこさんの「卵の緒」を読む。


「幸福な食卓」の由里子がそうであるように、
母親である君子が非常に強い。
実際に血がつながっていない育生を目いっぱい愛し、
自分が生きていくために必要な人を愛す。
自由なようでいて、
目の前の人に気を使い、
飾らない人柄で子供を見守る。

それに、みんな優しい。
主人公の育生も、
君子も、
朝ちゃんも、
池内くんもみんなもれなく優しい。
こんな人ばっかりで社会が成り立っていたらいいのにって思う。
残念ながら優しい人だけでは戦争は無くならないけれど、
ただ奔放であることが美徳とされる価値観に、
傷つけられる心配は少なくなる。
そう思う。

そして、かっこいい。
すごく美味しいものを食べたとき、
その美味しいものを食べさせたい人が自分が一番好きな人なんだ。
と、言いつつ、
同時に、
恋愛関係になったら「美味しいものができたから、ちょっと来て」っていう軽快な気持ちにはならない。
って言うことを子供にさらっと言える君子はかっこいい。


「幸福な食卓」で主人公の佐和子は、
映画におけるテーマソングである「くるみ」を地で行くような不幸に見舞われる。
不条理というはいて捨てるほどある出来事から、
佐和子は多くのことを学ぶ。
家族という特殊な共同体が、戸惑いながらでも守ってくれる幸福を知り、
彼女は救われる。

君子も同じように、
新たな家族を手に入れることで自分を見失わずにすんだ。
信じられないバイタリティで動いて手に入れた血の繋がらない育生を育てていく中で、
多分、
彼女自身も育っていたはずで、
だからこそ彼女は、
強くて優しくてかっこいい女になれたのだろう。

こんな女は、そういない。


文庫本のページにして僅か70ページのほどだけど、
凝縮されたすばらしい小説だと思います。
r-waver * おすすめ。 * 23:17 * comments(0) * trackbacks(1)

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小説 書き方

小説の書き方って奥が深いですよね。小説の書き方のアレコレを書いてくブログです。
From 小説 書き方 @ 2007/07/10 6:39 PM
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